自然の力をかりたリハビリ風景 ~心が動けば体も動く~
作業療法士の小田です。今日は私がリハビリの様子をお伝えします。
本日のリハビリはこんごう棟中庭(ハナミズキガーデン)に咲いている菜の花をきっかけに進めていきます。
こちらの庭園は当院のグリーンホスピタルプロジェクトが管理しています。→♦
菜の花畑に着くと、こちらの患者さまは、「お日様の光を浴びると気持ちいいね。こうしていると時間が経つのがあっという間ですね」「私、左手がこんなに伸びるんよ!」と菜の花摘みを喜んでくださいました。
こちらの患者さまは以前、風景画をよく描かれておられたそうです。菜の花畑で摘んできた花を飾り、紙と鉛筆をお渡しすると画伯のようにじっくり花を見つめておられました。穏やかな「静」のリハビリの場面でした。
手先の運動もかねて、摘みたての菜の花をちぎって一つずつ紙に貼り、茎と葉っぱをお花紙で創作していただきました。患者さまの創作意欲をかきたてた春の花に感謝の気持ちです。
こちらの患者さまは、「リハビリで運動しましょうか」とお誘いすると「今日はやめておきます」とお断りされました。「じゃあ、今日は暖かいので散歩はどうですか。菜の花がきれいですよ」とお誘いすると「いいですね!」と表情をゆるませ菜の花畑に向かいました。
自ら菜の花を摘まれ「きれいな色!つぼみの緑と合わせて飾ろうかな。こんなことするの好きやわ~」と花を飾るアレンジを楽しんでおられました。
その流れでリハビリ室の作業机へ向かい、創作活動を開始すると「今日は頭と手先の運動ですね。なかなか難しいけど楽しいもんですね」とおっしゃっていただきました。
「やってみたい」「楽しそう」と思っていただける活動をリハビリのメニューに盛り込むことで、やりたいことに一生懸命打ち込み自然と体をどんどん動かすようになり、結果的に機能の回復につながります。
「心が動けば体も動く」そんなリハビリが今日は出来た気がします。